退屈。
このいかにも社会に対する自発的反抗の意を呈する熟語は、自己の劣性の発露である。
"屈"し、"退"く。
いずれの行為も自発的と呼べるものではなく、外圧に敗れた受動的結果そのものである。退屈の感情を抱くならば、すなわち敗北の自覚を発生させるべきである。
どうしても相手に自分を退屈させたことを恥じる感を与えたければ、"失望"という熟語を用いるのが相応しい。
ただこの行為も、そもそも相手にこちらへ悦びの感を与える目的が備わっていなければ、かえってこちらを見下す機会を生み出すに終わってしまうだけである。