近似トレバ虚構

実験的創出Blog

作用・反作用の法則|投影#2

 

力には作用・反作用の関係がある。

ある対象に力を与えた場合、その対象からもまた同じ大きさでかつ同一作用線状にある反対方向の力を受けるという物理的法則である。

 

力に限らず、この法則はあらゆる現象に適用できるのではないかと私は考える。

例えば、経済。ある者がある商品を買うためにお金を手渡した場合、その商品が等価交換される。この時、与えたお金が作用、与えられた商品が反作用とみることができる。”価値”を”力”と仮定することで、この論理はある程度成り立つことになる。実情、この世界では”価値”が時に暴力的にふるまうことがある。

 

”暴力的”から連想したのであるが、”痛み”も作用・反作用の関係にあると考えられる。物理的、精神的関わらず、他人を傷つけた時、自分も傷つく側と化してしまうことがある。傷つけた対象からその場で痛みを与えられることもあれば、時を経て思いがけない時に痛みを食らうこともある。巡り巡って、傷つけた対象以外から痛みが発せられることもある。場合は異なれど、これらの要因は全て、最初に自分が与えた”痛み”によって引き起こされる。

 

しかし、世の中には他人を傷つけて、快楽を感じる人もいる。それもまた作用・反作用の関係にあるのではないか。むしろ反対方向の力を授けるのが反作用であるならば、痛みを与えるとその反対の感情が自分に帰ってくるのは、自然の成り行きではあるまいか。

 

では、”痛み”を感じない人はどうか。様々な境遇により、感情が生まれなくなった人間。彼彼女は作用反作用の法則に当てはまるのだろうか。そもそも、この法則に当てはまることで、どうなるというのか。

法則など、人間が都合よく認識した綜合の産物に過ぎないではないか。

 

 

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