近似トレバ虚構

実験的創出Blog

歌詠み

夜の月 夕方の月 朝の月|歌詠み#4

陸地より海にゆだねるほうが楽だからぜんぶ海になっちゃえ 赤くなる万能センサー 僕の肌 ニュースも言わない一月の花粉 夜の道 こすれ合ってる男女の手 早くつなぎな もどかしいから 河畔にて木陰に寄り添うカモの群れ 人間にはない冬景色かな フンが落ち 見…

溶けかけの飴|歌詠み#3

腐っても腐ってもなお味が出る それは腐りと言えるのだろか 横ならび「月がきれい」とポツリ出る 今のは文字通りの意味だから そこの木さん あなた千年生きたくて生きたの? 「レトロ」の箔をおしたとき それは「さびれ」の隠れ蓑 カルピスと傷とゲームとラ…

人知れずサーカス|歌詠み#2

仏になるため旅に出たあの人をクマに見立てて帽子をかぶせて 一年が十年ぐらいに感じてた 今は五か月ぐらいだもんな 生きるたび積み重なってくもどかしさ できれば償わせてください 罪 顔上げて風呂が冷めてる午前二時 目覚める以外は死ぬのといっしょ ねむ…

わたし橋|歌詠み#1

冷蔵庫ヴォォンと音が響くのは まだ寝てるのか午前6時 透明の計量カップよどこにいた もう食器を片付けたのに 私がさ あと30センチ左にさ ズレたら死ぬのさ右側通行 珈琲と醤油をならべてのぞいたら見分けがつかない 混ぜてもいいか 鼻水がサラサラしてる…