夢判断
自分を含めた十数人の人間が真っ暗な廊下を歩いている。壁や床は酷く錆びれている。コンクリートか、木造か判別がつかないほど、壁床一面に黒い錆がびっしりとついていた。 廊下沿いにあった一室に入れられる。部屋の正面に黒板があり、それに向かうように机…
気が付くと、広いホールの席に私が座っている。照明が落とされていて辺りは薄暗く、目線の先にある舞台だけが光を放っていた。私の目にそれは小さく映っていることから、自分が最後列近くに座っていることが分かる。舞台ではまだ何も行われておらず、まばら…
とても長い年月が経ったように思えた。意識を取り戻した私は目を開ける。しかし、目を開けても映るのは暗い闇だった。肌の感触から地面は砂であることが分かる。大気は冷たかった。上を見上げると、三日月よりも細い月が浮かんでいる。夜になっていた。辺り…
この国に来てから、私は宿泊について何も考えていなかった。しかし、あの食堂で私と談笑していた男性が偶然にも民宿を営んでおり、今日は空いているからうちに泊まっていけと言うのだ。なんという幸運。私は喜んでお願いし、民宿まで案内してもらった。民宿…
私は市場からそう遠くない食堂で腹ごしらえをしていた。木造の建物、吹き抜けの開き戸。西部劇からそのまま出てきたような店である。先ほどまでの市場とはまた違う世界に来たようであった。客と談笑しながら水を飲んでいると、これまた西部劇よろしく気性の…
気づけば、私は飛行機に乗っていた。窓際の席に座っており、外を眺めると雲海が果てしなく広がっている。さらに、辺りを見渡しても日本人は一人もおらず、日本語すら目に入らない。どうやら、すでにどこか日本以外の国の空港から乗り継いでいるらしい。せめ…
先ほど、ミサイルの発射に成功したとの報道を目にした。ここ数年、地球では惑星間ミサイルの開発に勤しんでおり、いつ実践投入されてもおかしくない段階に来ていた。 かつて、地球でしか生息できなかった人類その他の生物は、今や太陽系の至る所に点在し、そ…
人間十数名が島へ流れ着いた。私もその一人に含まれていた。その島には悪魔が棲み着いており、人間を見つけては喰らう。体型は小振りなものから大型の、それこそ人間離れしたものもいた。みな皮膚が赤く、血の色をしていた。 我々はその悪魔どもと対峙せねば…
自宅のリビング。家族で朝食を取るそばで、テレビではニュースが報じられている。 『ロシア留学生2036人、航空事故により死亡』 「またか」日本では頻繁に海外留学生、修学旅行生が死亡するケースが相次いでいる。政府による外国人排斥のための牽制行為なの…
今、刑務所にいるらしい。 そして、私たち二人は受刑者への聞き込み取材に来たようである。珍しく、今夜の夢は一人ではないようだ。連れの女性の名は「トトトト」、茶髪の丸みショートで、ランニング用サンバイザーを着用している。年は私と変わらないように…
とあるショッピングモールの衣服エリア。その一角に、8畳ほどの広さのゲームコーナーがあった。今は見なくなったデータカードダス機を始め、子どもがボタンを必死に連打する様を披露する昔ながらのメダルゲームもある。 そこに私もいたのであるが、目線が少…
気が付くと、私は暴走するトラックに乗っていた。 車内をぐらぐらと揺らしながら、斜面を下るように森の中を駆けている。 車には運転席に私一人。いや、もう一人いたような気もするが、一人でいる感覚であった。私は確かに運転席にいたのだが、アクセルはお…
私は駅のホームにいた。 その駅は日常的に利用している見慣れたものであったが、明らかに異質な状況に立たされていた。化け物がいるのである。 全身を黒に染めており、形状は蜘蛛のような、龍のような、定まらない様相である。とりわけ私を感情的にさせたの…
玄関に人が立っている。地面にまで垂れ下がった長い白髪に、ベタな白装束。『リング』の貞子を連想させるそれが、私の家の玄関にいる。 現実であるはずがない。これは夢だ。 人は夢を夢と認識できたとき、あらゆる制約から解放されるはずである。なぜなら夢…